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行動ファイナンスの実践 投資家心理が動かす金融市場を読む本pdfダウンロード - 内容紹介 ファイナンス理論と心理学を融合させた「行動ファイナンス理論」、その最新の実証研究を用いた市場分析ガイド。投資スタイル選択から企業価値評価、ポートフォリオ構築、リスク管理、資産配分、コーポレート・ファイナンスへの応用まで―。理論紹介に終始する類書をはるかに超えた実践の書。 著者からのコメント 「本文」より ミスター・スポックをご存知だろうか。米国のTV映画『スタートレック』シリーズで、エンタープライズ号に乗船している半分人間で半分ヴァルカン星人の科学者だ。論理的思考に支配されたスポックには、他の乗組員の感情を理解できなかった。非合理的な感情に基づいて行動する、つまり完全に人間的な同僚たちの行動は、彼からは矯正不能なほど非論理的に思えたことだろう。古典的ファイナンス理論の世界は、スポックやその同類のような人たちで満ち溢れている。市場に参加する者は完全に合理的だと想定されているからだ。複雑な動学的最適化問題を、誰もが一瞬のうちに完全に解くことができるというのだ。だが、カーク船長やボーンズ、スコッティといったスポックの同僚たちが、心臓に毛が生えたような大胆な決断で窮地を切り抜け、論理思考の達人であるヴァルカン星人の血が半分流れているスポックを何度も戸惑わせたことを思い出してほしい。これが行動ファイナンスの世界だ。市場には論理も存在するが、人間の感情が支配していて、企業の貸借対照表から読み取れる情報と同様に、心理的な要因によっても市場は動かされるのである。古典的ファイナンス理論を学んだ人たちは、自分たちが後生大事に守ってきたモデルに矯正を迫られるがゆえに、こうした仮定に異議を唱える。「検証されるべきは、モデルの予測の正確さだ」と。著者は懐疑論者であるが、こうした主張は確かに理にかなっていると思う。どこも壊れていないものを修理してはならない。もし古典的ファイナンス理論のモデルが、市場の機能を現実に即してうまく説明できており、予想の道具として不足がないならば他のアプローチは必要ない。だが、古典的ファイナンス理論のモデルには致命的な欠陥がある。現実の金融市場で観察される結果の近似的な予測さえ導き出せないのだ。本書第2章では、古典的ファイナンス理論の基本命題であるアービトラージ（裁定取引）が、伝統的なアプローチで安易に仮定されているほど安全確実ではないことを示す。アービトラージこそが市場を均衡させるメカニズムであるから、その欠落は、市場とその「ファンダメンタルズ」が長期にわたって乖離しうることを示唆している。当然のことながら、我々は、何が市場をファンダメンタル的価値から乖離させているのかを理解する必要がある。答えは極めて単純、“人間の行動（behavior）”だ。心理学者は、人間の意思決定プロセスは真に合理的なアプローチからかけ離れており、むしろ、バイアス（偏向）を伴った思考へ導く特徴を内在していると指摘してきた。こうした特徴は、ほぼすべての人が持っていて、市場での投資家心理の予測可能な波を作り出す。 商品の説明をすべて表示する